普段は着物とは縁がないけれど、はたちのつどい(成人式)では振袖を着たい!
そう思っている方は多いことでしょう。
洋服ならば体型のカバー方法はわかっていても、振袖となるとその知識も生かせません。
ぽっちゃりさんだから振袖は着られないと思いこんでいらっしゃいませんか?
でもご心配は無用です。
ぽっちゃりさんも振袖を美しく着こなすコツがあるのです。
体型を気にせずかわいくおしゃれをするためには、どんな方法があるのでしょうか。
今回は、ぽっちゃりさんに似合う振袖スタイルを解説します。
目次
1.ぽっちゃりさんは振袖を諦める必要はなし!その理由は?
女性たちがみな、モデルさんのような体型をしているわけではありません。
おしゃれが上手なみなさんは、洋服を選ぶときに自分が最も美しく見えるデザインを選ぶと思います。
振袖も同じです。
色や柄、着方によって、ぽっちゃりさんは美しく輝きます。その理由を解説します。
振袖には体の凹凸がいらない
着物を広げてみると、直線のラインで構成されていることがわかります。
つまり着物を着る場合は、洋服を着る時のような体の凹凸は必要ありません。
ウエストが細すぎる人にはバスタオルを巻き、上半身のボリュームが足りない女性には綿などを詰めて厚みを作ってから着つけるのです。
ぽっちゃりさんは、体型を気にする必要はないのです。
振袖はぽっちゃりさんのほうが見栄えがする
振袖は未婚女性の盛装ですから、厚みや重みを重視して着つけていきます。
振袖だけではなく帯も小物も、盛装にふさわしい格式を持っています。細すぎる体型では、上手に着こなせないことが多いのです。
ですからぽっちゃりさんの体型は、着物を着るために理想的です。
適切な色や柄、着付け方のコツを知っていただければ、体型を気にせずかわいくおしゃれに振袖を楽しめます。
2.ぽっちゃりさんがきれいに見える振袖の選びかた
振袖はぽっちゃりさんにぴったりの盛装ですが、より美しく見せるコツがあります。
振袖の色や柄によって、すらりとした印象を与えることができるのです。
ぽっちゃりさんは、どんな振袖を選べばよいのでしょうか。
そのコツを説明します。
振袖の色
振袖の色は千差万別、選択肢が多すぎて迷ってしまいます。
ぽっちゃりさんがよりマートに振袖を着るには、どのような色が望ましいのでしょうか。
答えは「濃い色」です。
淡い色は優しい印象になりますが、全体の色がぼけてしまうのです。パステルカラーが膨張色と呼ばれる理由です。
逆に濃い色の振袖は、ラインがくっきりとします。振袖のラインが強調されることで、全体的に締まったイメージになります。
黒や紺、深緑や紫色など、ダークな色調をおすすめします。
濃い色でも、華やかな赤やオレンジは、膨張して見えるケースがあるためです。
もちろん、濃い色が好みではないという方もいると思います。
ぽっちゃりさんが淡い色調の振袖を選ぶ場合は、帯や帯揚げを濃い色にして、メリハリをつけるとすっきりします。
振袖の柄
振袖の柄も悩めるところです。
ぽっちゃりさんにおすすめする柄は、縦に長い柄や、斜めに入った柄です。
柄のひとつひとつは、大きめのほうが体のボリュームをカバーしてくれます。
細かい柄の重なりよりも、生地からくっきりと浮かぶ大きめの柄が配置されているほうが、見た目が膨張しません。
このあたりは、洋服の感覚も役に立つかもしれません。
縦のストライプを思わせる柄や、縦長に続く柄ならば、ぽっちゃりさんを細く見せてくれます。
ぽっちゃりさんを縦長に見せるデザインがあります。
全体的に柄がちりばめているよりも、下部に柄が集中しているタイプです。
華やかな柄が肩のあたりにあると、膨張感を助長してしまいます。
上半身はすっきりと柄が少なく、下半身は華やかな振袖にしてみてはどうでしょうか。
振袖の生地
振袖は綸子という絹織物が生地に使用されることが大半です。美しい光沢が、綸子の特徴です。
綸子の振袖よりも高額になりますが、絞りという生地を使った振袖も人気があります。
絞りは立体感がある美しい生地ですが、ぽっちゃりさんが着るとさらにぽっちゃりと見えてしまう可能性があります。
より細く見えるために、絞りよりも綸子をおすすめします。
また紅型や更紗模様の振袖は、光沢がないマットな印象です。
落ち着いた雰囲気のあるこれらの生地も、ぽっちゃりさんの体型をカバーしてくれます。
3.ぽっちゃりさんが振袖を着るときの小物は?
盛装の振袖を着るときは、帯やバッグ、草履なども手を抜かずに選ぶ必要があります。
補正下着など見えない小物も、ぽっちゃりさんをすっきり見せてくれるアイテムです。
ぽっちゃりさんが振袖を着るときの帯や下着は、どんな風に選べばよいのでしょうか。
帯について
振袖の帯は、高い位置で締めるのが通常です。
そのため振袖の帯は本人が認識している以上に、スタイルをきれいに見せるポイントになるのです。
ゴールドなどのゴージャスな帯をよく見かけますが、無地や単色の帯は、幅広に見えてしまうというデメリットがあります。
振袖の色や柄と合わせたとき、帯がアクセントとなるようなイメージで選ぶことをおすすめします。
帯揚げも絞りなどボリューミーなものを持ってくると、胸元が盛り上がってしまいます。
帯とともにコンパクト感を持つ帯揚げや帯締めがベターです。
補正下着について
振袖を着る場合は、着物用の下着を選ぶ方が多いと思います。
ぽっちゃりさんはふくよかな胸が、より体型を強調してしまう可能性もあります。
補正パッドや、和装のブラなど、胸のふくらみを押さえる便利なアイテムがあるのをご存じでしょうか。
補正パッドは、アンダーバストにつけるとさらに膨らみを強調してしまいます。
胸の下から上に向かって押さえるようにつけると、横からのシルエットがきれいな斜線になります。
和装用ブラは、体の中心に胸のふくらみを集めるような感覚でつけます。
ふくらみを押さえようと押しつぶしてしまうと、補正ができなくなってしまうので注意が必要です。
4.ぽっちゃりさんをきれいに見せる振袖の着方
すっきり見える振袖や帯を選んだら、細く見える着付け方で晴れの日をお祝いしたいものです。
ぽっちゃりさんがすっきりと振袖を着るためのポイントをまとめます。
サイズが合っていること
着物はサイズがぴったりでなくても、着付けによってある程度の調整は可能です。
ママ振袖を着る方が増えたのも、多少体型の相違があっても振袖は2世代にわたって着ることができるためです。
ぽっちゃりさんの体型に合ったサイズや仕立てになっているか確認すると、よりすっきり着ることができます。
衣紋を抜きすぎない
振袖は胸元をきっちりと合わせて、衣紋はきれいに抜くようにして着つけます。
でも衣紋を抜きすぎると、首が短く見えてしまいます。
ぽっちゃりさんが振袖を着るときは、衣紋の抜き加減を調整すると、より首回りがきれいに見えます。
衿に少し余裕を持たせる
衿の合わせが緩むのは、振袖スタイルを崩してしまう要因です。
一般的には喉もともとまできっちり詰めて着つけますが、この着方によって肩の幅が強調されてしまうのです。
着付けが上手な方に頼んで、衿の合わせに崩れにならない程度の余裕を持たせると、肩のラインが優しく見えます。
体型をカバーする帯結びにする
振袖を着たときの帯結びといえば、ふくら雀が人気です。
ふくら雀は横に広がる形状をしているため、ぽっちゃりさんが体型をカバーしたい場合にはイマイチです。
斜めのラインになる立て矢結びならば、全体像が縦長に見えます。
変わり結びを使えば、細く見える効果を引き出せます。
顔まわりがすっきりする髪型にする
振袖を着る場合の髪型は多様です。きれいに見せるスタイルを見極めるのは簡単ではありません。
ぽっちゃりさんの髪型は、縦に長いイメージで仕上げると、顔まわりがすっきりします。
前髪はストレートに落とすよりも、斜めに流すことで小顔効果があります。
髪飾りは顔の近いところに持ってくるとコンパクトにまとまり、膨張感を回避できるかもしれません。
ただし、顔の形や雰囲気によって、似合うスタイルは異なります。
美容師さんと相談して、ベストな髪型を選ぶことをおすすめします。
5.まとめ
振袖を着るとよけいに太ってみてしまう。
そんなふうに思い悩んでいるぽっちゃりさんは多いのではないでしょうか。
でも心配はご無用です。
ぽっちゃりさんは、体型を気にせずかわいくおしゃれに振袖をきこなせます。
次ようなポイントを意識するとよいかもしれません。
● 生地は濃い色
● 地から柄が浮かぶような大きな柄
● コンパクト感を演出する帯
● 細く見える正しい補正
● 縦長のラインの帯結びや髪型
ぽっちゃりさんの振袖スタイルは、コツを押さえればすっきりと決まります。
晴れの日の主役として、美しく輝きたいものですね。