お母様のために誂えたママ振袖をお嬢さまがお召しになることは、今やスタンダードになりつつあります。
誂えたおじい様・おばあ様にも喜ばれ、ママ振袖をお召しになることでご家族の思い出がまたひとつ増えることでしょう。
また、ママ振袖は購入・レンタルするよりコストがかからないことも魅力のひとつです。
高品質の振袖がお手元にあるならば、有効利用しないともったいないですね。
しかし、一方で
「流行りに合っていない振袖を着るとダサくなりそう」
「ママ振袖は古臭くなりそうで心配」
といった声も耳にします。
そのような不安をお持ちの方に向けて、ママ振袖を現代風に着こなすための8つの方法を解説します。
このコラムを読んで、ご家族の想いが込められたママ振袖を、あなたのハレ姿のお衣装としてご検討いただければ嬉しいです。
目次
1.自分に合ったサイズにお直し
メリット盛りだくさんのママ振袖ですが、サイズ感が合っていないとダサく見えてしまう原因になります。
まずは試着をして、サイズの確認をしてください。
チェック項目は、身丈と裄丈です。
身丈は、着物全体の長さのことを差します。
身丈が短すぎる場合、おはしょりが作れなくなってしまうので着付けできません。
裄丈は、首の後ろから手首のくるぶしまでの長さのことです。
振袖から腕がにょきっと出てしまうと野暮ったい印象になってしまいます。
サイズが合っていない場合、振袖の縫い代に余裕があればサイズ直しが可能です。
サイズ直しをすると、着崩れしにくくなり、より美しい着姿になります。
ただし、サイズ直しは振袖を一度ほどいて縫う作業が発生するため、時間がかかります。
慌てないように時間に余裕をもって、サイズ直しに出すことがおすすめです。
「自分に合うサイズ自体がわからない」
という方のために、弊社では「ママ振袖クリニック」を実施しております。
思い出の詰まった振袖を、着物のプロが丁寧に蘇らせます。
お気軽にご相談くださいね。
2.シミ・汚れにはクリーニング
サイズ直しと同様に、ママ振袖にシミや汚れがある場合にも古臭さを感じさせてしまう原因になります。
・半衿
半衿には、刺繍の施された刺繍衿がイチオシです。
ママ振袖は上半身の柄行が控えめなものも多いので、刺繍衿で豪華な印象をプラスできます。
金糸の刺繍でゴージャスに、カラフルな刺繍で可愛らしくアレンジしてください。
・重ね衿
振袖と半衿の間に入れる重ね衿は、パッと目をひく色をおすすめします。
お母様の時代には、重ね衿には振袖となじむ色を使うことが主流でした。
今風にアレンジするためには、振袖が暖色系なら寒色、というように差し色となるようなものをお試しください。
半衿・重ね衿は、手の届きやすい値段のものが多いことも嬉しいポイントです。
写真でも目立つ半衿・重ね衿に、あなたのこだわりを詰めてはいかがでしょうか。
3.帯揚げ・帯締めは流行りの飾り結び
「ママ振袖ってなんか地味に感じる…」
そのように感じる方は、帯揚げと帯締めの結び方をアレンジしてはいかがでしょうか。
帯揚げと帯締めに流行りの飾り結びを取り入れると、おめでたい場にふさわしい華やかさを演出できます。
・帯揚げ
総絞りの帯揚げで、花やリボンを形どった結び方がトレンドです。
フリルのようにひだを作る結び方は、可憐なスタイルになります。
帯揚げの色は、重ね衿と同様にコーディネートのアクセントになるようなものをおすすめします。
色選びに迷ったときは、振袖に折り紙を当ててみるとイメージがつかみやすいですよ。
・帯締め
お母様の時代の帯締めは、平組で単色のものではんなりとしたスタイリングにすることが一般的でした。
流行りのスタイルにするためには、飾り結びに挑戦してみてください。
・華
・ハート
・クローバー
・蝶々
など、帯締めの結び方は数多くあります。
オリジナルの結び方のある着付け師さんもいらっしゃるので、予約の際に打ち合わせておくと安心です。
さらに、パールや花の飾りの付いた帯締めをお選びになると、より華麗なスタイルに仕上がりますよ。
振り袖姿の中央部に位置するため、帯揚げ・帯締めはコーディネートの重要なスパイスとなります。
時を経ても色褪せない、あなたらしい振袖姿を作り上げてみてはいかがでしょうか。
4.髪型はレトロに
「ママ振袖に、流行りの髪型は合わないかな…」
ママ振袖にどんな髪型が合うのか、お悩みの方も多くいらっしゃいます。
提案させていただきたいのは、どこか懐かしさを感じるレトロな髪型です。
・フィンガーウェーブ
ママ振袖には、前髪を指でなでつけたフィンガーウェーブがおすすめです。
顔に沿って波のような模様を描く前髪は、往年のハリウッド女優のような上品で洗練された雰囲気を醸し出します。
ママ振袖に、あえてレトロなフィンガーウェーブあわせることで新鮮さが生まれるのです。
・ベロアリボン
大きめのリボンで飾る髪型も近年のトレンドとなっています。
中でも、ベロアリボンは甘くなりすぎずママ振袖にも相性が良いです。
ロングヘアの方は、編み込んだシニョンヘアにリボンを合わせるとすっきりまとまります。
ボブヘアの方は、ハーフアップにリボンを添えてみてはいかがでしょうか。
5.豪華な帯結び
帯は、振袖コーディネートの要といっても過言ではありません。
流行りを取り入れると、全く別の振袖になったかのような印象になります。
お母様の時代には、金糸を使った細かい装飾の袋帯が主流でした。
柄が大きく色彩豊かな帯を合わせると、グンと今っぽい振袖姿になります。
現代の帯の結び方は、多種多様です。
羽が幾重にも重なったようなもの、フリルのようなアレンジなど、個性的なデザインを楽しめます。
バックスタイルは、意外に注目を浴びる場所です。
豪華な帯結びで、ママ振袖を美しく引き立ててみてはいかがでしょうか。
個性的な帯結びにするためには、3重ゴム紐や後ろ板などの専用の道具が必要になる場合もあります。
可能な場合は、あらかじめ着付け師さんに必要な道具を問い合わせておいた方がベターです。
6.ママ振袖にはタイムレスなメイク
昔の振袖姿の写真を見た時に、
「ちょっと時代を感じるな…」
と思わせる原因のひとつはメイクです。
ヘアスタイルと同様に、メイクにもトレンドがあります。
特に眉毛には、その時代の流行りが影響されやすいポイントです。
振袖姿の写真は、何十年後も見返すことがあります。
その時に違和感を感じないよう、なるべく流行りを感じさせないメイクを意識してください。
眉毛は太すぎず細すぎず、なだらかな眉山のシェイプが好ましいです。
セルフメイクをする予定の方はあらかじめ練習をして、ご家族やご友人にチェックしてもらうと安心です。
はたちの輝きを映し出す透明感あふれるメイクで、ママ振袖をブラッシュアップしてはいかがでしょうか。
7.バッグ・草履にもこだわりを
バッグと草履は、年々細かい装飾が施されたアイテムが増えてきています。
目立ちにくい場所にも気を遣うと、垢抜けたスタイルを実現できます。
・和装バッグ
お母様の時代には、振袖のデザインを邪魔しないように、装飾の少ない和装バッグが主流でした。
近年は、大胆できらびやかなデザインのバッグがトレンドです。
ベロアやスパンコールを使った物もあり、振袖コーディネートのよいスパイスとなっています。
大きめな柄のバッグをお選びになると、レトロモダンなスタイルを演出できます。
・草履
お母様の時代には、土台がゴールドやシルバーで柄のない草履が主流でした。
ママ振袖を現代風にアレンジするためには、カラフルな土台で鼻緒にデザインのある草履をおすすめします。
落ち着いた雰囲気のママ振袖の裾から、歩くたびにちらり見えるポップな鼻緒にテンションがあがること間違いなしです。
また、最近では、厚底の草履が流行りつつあります。
土台の側面に、花の刺繍など柄が付いたものもあり、さりげないオシャレを楽しめます。
振袖に使われている色の土台をお選びになると、奇抜になりすぎません。
8.まとめ
・自分に合うようにサイズ直しをする
・シミや汚れをクリーニングして綺麗な状態に戻す
・半衿・重ね衿のコーディネートでトレンド感を演出する
・帯揚げ・帯締めは流行りの飾り結びで華やかさを出す
・髪型はあえてのレトロアレンジが新鮮
・帯は色彩豊かなもので、豪華な帯結びを
・タイムレスな輝きを放つメイクにする
・デザイン性の高い和装バッグと草履を選ぶ
ママ振袖をダサく感じさないためのアレンジ方法8選をご紹介しました。
このコラムを参考に、自信をもってご家族の歴史を受け継ぐママ振袖をお召しくださいね。