「振袖一式30点」「振袖フルセット40点」という表記で、振袖に必要なアイテムがまとめてセットになっています。
振袖の事はよくわからないけれど、必要なものが全てセットになっているならお得で安心、と思う方も多いのではないでしょうか。振袖は使うアイテムも多く、特に着付け用具は聞き慣れないものが多く、必要な物をすべて自分でそろえるのはとても大変です。
この振袖カワイイ!
と目移りしながら、いくつかの呉服屋さんを比較したいという段階で、
振袖セットの内容って、どこも一緒じゃないの?
呉服屋さんによって振袖一式の点数が違うのはなぜ?
そんなモヤモヤも生まれるでしょう。
今回は振袖のセット内容について振袖の大手数社を独自にリサーチし、解説していきます。また、当社まるやま・京彩グループの振袖「MK STYLE」のセット内容についてもご紹介します。
お得に感じるセットの内容は、知識さえあれば正しく見極めることができます。はたちの集いに向けて、振袖選びをスタートしたお嬢様やそのご家族に、このコラムが見極めのヒントになりますように。
目次
1.チェックリスト「基本アイテム」
はたちのつどい(成人式)のために振袖を着る場合、必要となる基本的なアイテムは20点前後です。
①振袖
②長襦袢
➂袋帯
④帯締め
⑤帯揚げ
⑥重ね衿
⑦草履
⑧バッグ
⑨足袋
⑩羽毛ショール
⑪肌着
⑫前板
⑬帯板
⑭腰ひも 5本
⑮衿芯
⑯三重仮紐
⑰帯枕
⑱着付けベルト
⑲伊達締め 2枚
⑳補正タオル 5枚
2.なぜ?振袖セットの点数がさまざまな理由
振袖に必要な基本アイテムは20点前後。
ですが、振袖の大手数社を独自にリサーチしてみると、各社かなり点数に違いがあります。振袖フルセット30点、50点、80点... などの点数を目にすることもあるでしょう。
セットの内容をよく見ると、当たり前ですが基本となるアイテムはやっぱりどこも同じ、20点前後です。じゃあそれ以上に点数がある理由はなぜでしょうか。
振袖フルセットが30点くらいの場合
便利グッズが含まれていることが多いです。
例えば着物ハンガーや、持ち運び用の箱やバッグ、和装ストッキングなど。厳選された、あると便利なアイテムですので、セットに含まれていて困ることはありません。
40点くらいの場合
ご成約による特典をカウントしている場合が多いです。
振袖にまつわるアイテムだけでなく、特典を含むことで点数がぐっと増えます。振袖を購入することでついてくる特典。よくあるのが、前撮り撮影のヘアメイク代、着つけ代、写真1枚サービスなど。
それ以上の点数の場合
振袖を仕立てる際に使用する裏地(胴裏、八掛)や、湯のし、仕立てなどの加工工程も細かくカウントされています。振袖をお嬢様のサイズに仕立てる場合は、裏地や仕立てなども必要ですので、加工工程まで一つ一つ明記しているのは、大変丁寧で安心感につながるとも言えます。
ですが、振袖の裏地や仕立てなどの工程は、専門用語でもあり聞き慣れない言葉が多いのも事実ですし、振袖は仕立て上がった品物を受け取る場合がほとんどですから、加工工程をセット内容の点数としてカウントしないことも多いようです。
あくまで独自のリサーチではありますが、結論として、点数の多い少ないで判断する必要はあまりないようです。点数が少ないからといっても必要なものが足りなくて困るというわけではないですし、多いからといって受け取るもの自体が極端に増える、ということでもないようです。
各社の振袖サイトではセット内容の詳細を、画像やイラスト付きで分かりやすく説明していますので、点数だけで左右されずに、内容をよく見て検討されるといいでしょう。
3.解説!ややこしいアイテムをピックアップ
ただでさえなじみのない、着物アイテムの名前。
名前は似ているけれど何が違うの?という疑問を解決するべく、ややこしいアイテムをいくつかピックアップして解説していきます。
①半衿・重ね衿・衿芯
これらを簡単にまとめると衿(えり)まわりのアイテム。
どれも衿という漢字が入り、似たような名称でありながら、一つとして替えの効かない大事なアイテムです。
・半衿(はんえり)とは、顔の一番近くを飾るもので、真っ白な無地のタイプから、豪華に刺繍されているものまで様々です。振袖と一緒に受け取るときには、長襦袢に縫い付けてあります。
・重ね衿(かさねえり)とは伊達衿(だてえり)ともよばれ、着付けてしまえば振袖の衿に数ミリ色を重ねる程度ですが、これもあるのとないのとでは印象が変わります。顔まわりに華を添え、振袖の高い格調を表すのに必要なアイテムです。
・衿芯(えりしん)とは、着付け道具の一つで、長襦袢に縫い付けた半衿の中に通す芯のことで、これがないと首回りがシャキッと決まらず、衿元がきれいに整いませんので、なくてはならない着付け道具です。衿カラーとも呼ばれます。
半衿や重ね衿などの華やかなアイテムとは違い、ノートにはさむ下敷きのような薄い素材で、細長い形状です。見慣れないこともあってか、式典当日に忘れる方も多いのがこの衿芯(笑)。ぜひ覚えておいてください。
②帯揚げ・帯締め
これらは簡単に言うと、帯まわりのアイテム。大きな面積の振袖と帯に対して、小さい面積でありながら、大事な役目を持つ帯締めと帯揚げ。コーディネートのポイントになり、全体のカラーバランスをとる効果がありますので、選ぶ際は鏡の中の着姿をよく見て、じっくりセレクトしましょう。
・帯揚げ(おびあげ)とは、帯を結んだ時に胸の下、帯の上部にくる、広げれば手ぬぐいほどのサイズの布を、帯揚げと言います。未婚女性の第一礼装であり格調の高い振袖は、帯揚げをたっぷりと見せる着付けをしますので、トータルコーディネートの大事なポイントとなります。刺繍や絞りなどがあり、とてもきれいで華やかです。
・帯締め(おびじめ)とは、帯を巻いて、その帯を抑えるように使用する飾りひもです。帯結びの崩れを防ぐとともに、強めの色や華やかな装飾の帯締めで、コーディネート全体を引き締めます。
➂肌襦袢+裾除けと、ワンピースタイプの違い
肌襦袢(はだじゅばん)と裾除け(すそよけ)は、?マークが浮かぶアイテムですね。
これらは和装用の下着のことで、セットで使用します。上(肌襦袢)下(裾除け)に分かれている二部式タイプです。裾除けは、ひもで腰に巻き付けます。
同じ用途で、肌襦袢と裾除けを簡略化し上下一体型にしたものが、ワンピースタイプです。ワンピースタイプは着るのもお洗濯も簡単ですので、おススメです。
④着付けベルト・ウエストベルト・マジックベルト
これらは全て着付けに使うひも状のものです。
・着付けベルトとは、先端にプラスティックなどの留め具が付いたもので、衿元をきれいに固定し、崩れにくくするためのベルトです。コーリンベルトとも呼ばれます。
・ウエストベルトとは、振袖を着るときに使用するゴムベルトで、おへそ周りのウエスト部分に、長さを調節して使用します。
・マジックベルトとは、幅が10㎝前後で、長さが短く、マジックテープで簡単にとめられます。同じ用途で、長さのあるものを伊達締め(だてじめ)といい、絹素材からポリエステルまであり、素材により値段が変わります。
着付けベルトもウエストベルトも、綺麗に着付けるための便利なアイテムではありますが、腰ひもで代用することが可能です。
似たような名前でも用途が違う、同じ用途でも形状が違う(そしてもちろん値段も違う)など、読むほどにややこしく感じてしまったかもしれません。
特に着付け道具などは、着付けをする人によって使うものが指定される場合もありますので、セットに含まれていないけど気になる、という場合は、お店のスタッフに一度確認してから足りないものだけそろえるといいでしょう。
とりあえずは、色々あるのね...と、思っておいていただければOKです。(笑)
4.セットの中にあればラッキー!おすすめアイテム
もしセットの中になければ、用意することをおススメしたいアイテムを紹介します。
①防寒グッズ
はたちの集い(成人式)が開催されるのは一般的に一年で最も寒い頃。
寒いなら洋服の時と同じように、高機能のインナーを着よう、と考えの方も多いのではないでしょうか。衿まわりが大きくあいているインナーであれば、それもいいでしょう。でも実は振袖姿は帯をしっかり巻くので、おなか周りはあたたかく、首にはふわふわのショールを巻くので、首回りも寒くはありません。
寒いのは足元です。真冬にロングスカートに短いソックスでは寒いですよね。最近は和装インナーも機能性に大変優れており、足袋の中に履くインナーや和装用のタイツなどもあり、寒さを我慢することなく過ごすことができます。
寒がりさんは早めに呉服屋さんで相談してみるといいでしょう。特に、寒さも本番になると売り切れるほどのインナー足袋などは、早めに用意されることをおススメします。
②エコで便利なふろしき
できれば大判のふろしきがあると大変便利です。
振袖一式を持ち歩くときに包む。着物を広げるときに下に敷く。着付けの際には脱いだ洋服をまとめて入れる簡易的なエコバッグのようにも使えます。着付け道具をひとまとめにして小さなふろしきに包んでおくのもいいですね。
たたんで持ち歩けば邪魔にならず、使いたいときにさっと使えて、様々な場面で活躍します。最近はおしゃれなデザインのふろしきも多くありますから、サイズ違いで何枚か持っておくと、大事なものを守る、持ち運ぶのに、とてもエコで便利でしょう。
➂替えの効かない着物ハンガー
振袖セットの中に、着るアイテムではないのに含まれていることが多いのが着物専用の、着物ハンガー。理由は、あると大変便利であることと、代用品が日用品の中にあまりないこと。
振袖を着る前や着たあとは、この着物ハンガーにかけてつるし、室内干しをすると良いのですが、その際、洋服用のハンガーでは、肩からだらりと袖がたれさがり、しわを作ってしまう原因になります。その点、横に長い着物ハンガーは、お袖をピンと張ったまま吊るすことができるので、不要なしわを作りません。
浴衣など、着物全般に使えますので、持っておくことをおススメします。
5.セットの中にはないけど、必要な物
それは和装のブラジャー。これは人によりサイズが違う、代用できるものがある、などの理由から、セットの内容に含まれることはほとんどありませんが、必要ですので、要チェックです。
振袖などの和装の場合は洋服とは違い、胸を抑えることで衿元を綺麗にまとめます。和装ブラジャーの代用品としては、スポーツタイプのブラジャーや、カップ付きのキャミソールもいいですね。
和装専用のブラジャーは一つあれば、振袖の時だけでなく、浴衣の時など和装全般に使えますので、自分のサイズのものを一つ持っておくと便利です。
和装ブラジャー又はその代用品が必要になるということは、覚えておくといいでしょう。
6.式典当日に忘れものをしないコツ
はたちの集い(成人式)の式典当日、全てのアイテムを持ちこんで身支度がスタートします。
忘れ物をしてしまった!という場合は、着付け道具はその場で購入できることも。しかし、セットでついてきたはずものを単品の価格で買うことになると、割高になることも多く非常にもったいないです。また、ない!と探している時間を使った分だけ、身支度の完成時間が遅れてしまいます。
式典当日は少しの時間も無駄にできません。忘れ物にはくれぐれもご注意ください。
①持ち物には名前を書きましょう。
はたちのつどい(成人式)当日は、一度に多くの方の着付けをするような広い会場を予約していれば特に、持ち物が混ざってしまう可能性があります。着付け道具は皆同じようなものを使用しますので、腰ひもなどの一つ一つに、きちんと名前を書いておくことが大事です。
②2人で準備しましょう。
持ち物の準備をお母様まかせにするのはよく聞く話(笑)。
ですが、お嬢様と2人でやるということも、忘れ物を防ぐコツです。振袖のしつけ糸をはずしたり、着付け小物一つ一つを袋から出して名前を書く...それなりに時間のかかる作業です。
2人で準備することで、ダブルチェックで見落としを防げますし、何より、お嬢様自身が使うものに目を通しておくことができます。式典当日の着付け中に、何かが足りない!となった場合、お嬢様が少しでも自分の持ち物のことを分かっていれば、より速やかな解決につながります。
ぜひ、2人で準備してくださいね。
7.まとめ
今回は振袖のセット内容について、掘り下げて解説しました。
「振袖一式」や「振袖フルセット」の成約を済ませれば、必要なものは全て含まれているし、安心です。でももう一歩、内容を理解しておくことで、本当にお得かどうかを見極めるヒントになります。いくつかの呉服屋さんを比較したい場合、セットの点数に惑わされずに、内容をよく見て比較するといいですね。
成約が済めば、あとはまるっとお店にお任せ!も、もちろんいいですが、少しでも前のめりなって知っておくことが、結果的に後悔のない振袖選びとなり、満足感につながることでしょう。
前のめりになって知っていくと、ちょっと面白くなってくるのが着物の世界の実は奥深いところ...沼。というお話は、またいつかどこかで。
8.まるやま・京彩グループの振袖「MK STYLE」
まるやま・京彩グループの振袖「MK STYLE」は、新品振袖お買い上げフルセットは20点、新品のレンタルフルセットは10点+返却不要の商品が11点で計21点。振袖に必要なアイテムをお客様の目線でわかりやすくそろえており、毎年たくさんの地域の皆様にご利用いただいております。
また、セットに含まれないけど必要かどうか迷う場合は、お店のスタッフの方に聞くのが一番早いですよね。そんな時にさくっと相談できるスタッフがいれば大変心強いでしょう。
まるやま・京彩グループのスタッフは、毎年たくさんの振袖のお手伝いをさせていただいており、経験豊富ながらとても気さくなスタッフで、どんなことでも気軽に相談することができます。
振袖選び同様に、相談しやすい気さくなスタッフとの出会いもまた、大切な要素となります。まるやま・京彩グループの最寄りの店舗にて、お嬢様にピッタリの振袖と、安心できるスタッフが、セットでご縁をいただけますことを心より楽しみに、ご来店をお待ちしております。