目次
1.はじめまして
着物っていいな。品があって優雅で日本人らしくて。
そう思う反面、着物って分かりにくい、ハードルが高い、着付けが難しそうなど着物への憧れはあるものの、手を出しにくいのもよく聞く話。一見難しい着物ワードを、このコラムで分かりやすく解説していきます。
少しでも着物が身近なものとなり、着物を知ることが喜びになれば、うれしく思います。当コラムは、着物大好き二児の母がお届けします。どうぞ宜しくお願いいたします。
2.「着物」と呼ばれるもの
「着物が見たくて・・・」と呉服屋に来店されるお客様がいらっしゃいます。(コラム作成者は、呉服店のスタッフでした)
早速話をうかがうと、
身内の結婚式に参列するための「きもの」が見たいです。-それでしたら黒留袖ですね。
成人式に出席するための「きもの」が見たいです。-それでしたら振袖ですね。
夏祭りに行くための「きもの」が見たいです。-それでしたら浴衣ですね。
そう、どの「きもの」も、間違いではありません。なぜなら着物とは和装全般に使われる言葉であり、総称として着物と呼ぶことができるからです。更には、腰に巻くものを帯と呼ぶのに対して、体にまとうものを着物と呼ぶ場合が多いです。
着物の種類とは?
着物とは、日本の伝統的な民族衣装であり、洋服に対して和服とも呼ばれます。
例えばワンピースの場合、結婚式に参列するためのフォーマルなワンピースと、友達とランチするためのカジュアルなワンピースでは、着るワンピースは違うはず。着物も同じです。
晴れ着とも呼ばれる成人式に出席するフォーマルな着物と、夏祭りに行くカジュアルな着物では種類が違う。着物の場合は、着るシーンに合わせた着物の種類一つ一つに呼び名があります。
数ある着物と呼ばれる種類には
- 黒留袖・・・既婚女性の第一礼装
- 振袖・・・未婚女性の第一礼装
- 訪問着・・・お呼ばれの席のフォーマル着
- 付け下げ・・・訪問着を簡略化した、控えめなフォーマル着
- 色無地・・・茶席や入卒式など、用途により広く利用できる
- 黒喪服・・・喪の第一礼装
- 小紋・・・観劇や食事会などのおしゃれ着
- 紬・・・趣味の席などのカジュアル着
- 浴衣・・・夏のカジュアル着 など
いくつもの種類があります。
なんでも着物と呼ぶことから一歩前進して、目的に合わせた「種類」が言えるといいですね。
帯の種類とは?
では帯にも種類があるのかというと、帯にもあります。
- 袋帯・・・黒留袖や振袖、訪問着などに合わせる
- 名古屋帯・・・小紋や紬などに
- 半幅帯・・・浴衣などに 等
着る季節に合わせる
もう一つ考えることは、着る季節。洋服と同じように着物にも衣替えがあります。着る季節に合わせて、素材やデザインが変わります。着る目的と季節もあわせて、着物をセレクトしていきましょう。
- 10月~5月 あわせ(袷)と呼ばれる裏地のついた着物
- 6月と9月 ひとえ(単衣)と呼ばれる裏地の付いていない着物
- 7月と8月 うすもの(薄物)と呼ばれる夏用の素材の着物
例えば、訪問着を夏に着る場合、夏用の素材の訪問着に夏用の袋帯となれば、それはまぁ、ややこしいですよね。
ですが、この着る季節に合わせて、素材や仕立て方、地色や文様にこだわる、これこそが日本の四季を感じられる豊かな時間、これこそが着物の楽しみでもあったりします。
3「晴れ着」とよく聞くけれど
そもそも「晴れ着」とはどんな着物でしょう? 皆さんは「晴れ着」と聞いてどんな印象を持ちますか?
多くの方が、お呼ばれやお祝いの席の着物姿が晴れ着のイメージと感じているのではないでしょうか...まさにその通りです。
昔から一生における通過儀礼・冠婚葬祭、すなわち誕生、七五三、成人、婚礼等の時には礼装に改めて参加していました。
晴れ着 = 晴れの日に着る物、つまり表立った晴れの舞台に着る着物のことで、成人式で着る振袖や結婚式なら黒留袖や訪問着、卒業式の袴などの人生の節目に着る着物を晴れ着と呼びます。
自分が楽しむための普段着に対して、お祝い事、お呼ばれの席などに着る、よそゆきの着物ということですね。
4.振袖とは?
着用シーン
振袖は未婚女性の第一礼装であり、格の高い着物です。
成人式だけでなく、結婚式の参列、授賞式や祝賀会などにも着ることができます。最近では振袖に袴を合わせて卒業式に出席するスタイルも、華やかで人気があります。
振袖はまさに「晴れ着」であり、着た人だけでなく、その場を一層華やかに彩ることが出来る着物なのです。
見た目
腕を振るとゆらゆらと揺れる長い袖が特徴で、存在感のある豪華な着姿が印象的です。袖が長いほどに格調が高くなります。
主に成人式に着用されることもあり、あどけなさを残しながらも美しく成長した姿に人生の節目を祝う、まさに振袖はその最たるものですね。
素材は絹。絹ならではのしっとりとした肌触りと上品な光沢。絹の重みが品の良い落ち感をつくり、足元まで美しい着姿に仕上げます。数ある着物の種類の中でも、振袖は最も豪華なデザインで、大胆な古典模様に、金箔や刺繍などの高い技術が集約されています。
コーディネート
振袖のコーディネートとは
- 振袖、帯
- 帯締め、帯揚げ
- 長襦袢、半衿、重ね衿
- 草履、バック、ファー、髪飾り 等
※他に、着付け道具も必要です。
豪華な振袖に合わせる帯もまた、金や銀を基調とした縁起の良い吉祥模様で、振袖の優美さを引き上げます。帯締めや帯揚げなども、はっきりした色を使用することで、大変華やかなコーディネートとなります。
これだけ主張の強い色のアイテムを組み合わせて、振袖の品位を保つコーディネートは、やはり豊富な知識と、たくさんの経験を積んできたプロのアドバイスをうまく取り入れるといいでしょう。
着付け
振袖の着付けというと、皆同じような着姿と思われがちですが、実はそうではありません。皆それぞれ体型も、なりたいイメージも、持ち物も違います。
美しい着姿になるように体型に合わせた補正の見極め、また、特に帯結びは様々なバリエーションがあり、後姿に華を添えます。着る人それぞれの魅力を引き出し、帯結びがアレンジされて華やいでこその振袖姿です。
必要なもの
振袖をコーディネートするアイテムとは別で、着付け道具も必要です。
- 腰ひも
- 衿芯
- 三重仮ひも
- 帯枕
- 帯板
- コーリンベルト
- 伊達締め
- 補正タオル
- 足袋
- 肌着
- きものハンガー など
振袖は使用するアイテムの多さから、着付けの工程も多く、時間を要します。その分、着る人に負担がかかります。着付け技術に加えて、経験の豊富な着付け師でなくては、短時間で仕上げることはできません。
プロの技で美しく変身しましょう。
5.成人式のための「振袖」
振袖のセレクトは、慣れないものでありながら、成人のお祝いは人生に一度、という重みで不安も大きいと思います。
とりあえずお店に行く。すると、最近は振袖のデザインもカワイイ系、カッコイイ系だけでなく、フェミニン系やノーブル系など、種類が豊富で多様な為、迷います(笑)
まずはサイトやカタログなどで自分好みのなりたいイメージを明確に持つといいですね。
成人式当日のお仕度や前撮り撮影会も含めて、振袖を検討される場合は、何度も足を運ぶことになるお店の場所も、店選びの大事なポイント。そしてお店に行くときはしっかりと時間を確保し、試着しながら顔映りを確認し、じっくりセレクトするといいでしょう。
ワンポイントアドバイス
ゆっくり試着できるよう、事前に来店予約を入れておくことをおススメします。
成人式の振袖はまさに自分が主役。自分至上一番の晴れ着姿で出席しましょう!
6.浴衣とは?
着用シーン
古くは入浴後に身に付けたとされる浴衣も、現代では夏のカジュアル着として親しまれています。夏祭りに花火大会、ビアガーデン、ランチやデートでも、夏のお出かけに気軽に楽しめるのが浴衣です。
見た目
長襦袢を着ない、帯枕をしないなど、他の着物より必要なアイテムが少ないのも浴衣の良さですね。見た目にとても涼やかな素足に下駄は、夏らしさを感じます。
綿の素材の浴衣が多く、簡単に結べるへこ帯などがセットで販売されていて、リーズナブルな上にバリエーション豊富となればチャレンジしやすいですね。
コーディネート
ワンピースにベルトをするような感覚で浴衣と帯の配色を選んでもいいですし、お洋服の時には選ばないような派手なデザインにチャレンジするのも、はんなりと上品にまとめるもよし。
思いっきり自由なセレクトをしてみましょう!
着付け
着付けにチャレンジしてみましょう!
浴衣の着付け工程は比較的少ないので、振袖と違い自分で着ることが可能です。動画などもいいですが、できれば先生に直接教えてもらえる環境で、短時間で覚えてしまいましょう。覚えておくと今後の着物を着る機会に必ず役に立ちます。
浴衣は着物を知る第一歩。
浴衣を知ることで、敷居が高いと感じていた着物へのハードルは確実に下がりますので、大変おすすめです。そして浴衣の着付けをマスターしたら、ぜひ着付け教室へステップアップを!
必要なもの
- 浴衣
- 半幅帯
- 下駄
- 腰ひも
- 前板
- 伊達締め
- 肌着 など
浴衣に合わせて素材感のあるカゴバックや、涼やかなデザインのヘアアクセサリーなどをスタイリングするのもいいですね。
ワンポイントアドバイス
涼しい素材がゆえにかなり透ける浴衣。専用の肌着などをきちんと着て、下着が透けていないか確認しましょう。汗が浴衣にしみるのも防ぎますよ。
7.まとめ
「晴れ着」「着物」「振袖」「浴衣」それぞれの違いとは?
- 晴れ着・・・お呼ばれの席、よそゆきの着物に対して使う通称
- 着物・・・着物全般をいう総称
- 振袖・・・着物の種類の一つ、未婚女性のフォーマル着
- 浴衣・・・着物の種類の一つ、夏に楽しむカジュアル着
このように、大きなカテゴリーでの違いがあります。
大切なのは、着る目的。
何のために、どのような立場で、着る季節、などの明確なシーンに合わせて、どんな種類の着物が必要かわかること。それが着物を知る第一歩ですね。
8.まるやま・京彩グループ
さてさて、まもなく創業52年を迎えます、まるやま・京彩グループは東京都、神奈川県を中心に、全国に店舗を持ち、幅広い呉服の知識を持ったスタッフが在籍し、毎年地域の皆様にご支持をいただいております。
特に、当グループの振袖は、最新のトレンドを取り入れながらも きちんとおしゃれ をテーマに、着る人の魅力を最大限に引き出すお手伝いをいたします。
お買い上げやレンタルでのご利用、お手元に既にある振袖を活かしたママ振袖のプランなど、お一人お一人のご要望に、ご期待以上のご提案をさせていただきます。
さらには、前撮り撮影会や成人式当日のお支度まで、万全のサポート体制で安心です。
まずはお気軽にご相談くださいませ。ご来店をお待ちしております。