伝統的な格式高いママ振袖を、今っぽくアレンジしてみませんか?
お母様から受け継いだママ振袖は、そのままでも充分な美しさを放っているはずです。
しかし、アレンジすることで、もっと可愛く振袖コーディネイトすることもできます。
このコラムは、ママ振袖を今風に可愛くコーディネイトするアレンジ術を解説いたします。
ぜひ、あなたらしく輝ける、ママ振りアレンジを見つけてくださいね。
1.半衿
半衿は、ママ振りアレンジに一番取り入れやすいアイテムです。
半衿は、長襦袢の衿部分に縫い付けます。
振袖の衿の内側に見え、お化粧や汗などの汚れから振袖を守る役割です。
汚れたら、取り外して新しいものに変えられます。
機能面だけではなく、装飾としての役割もあります。
お顔から一番近い部分なので目立ちやすく、お顔映りにも大きく影響を与えます。
そして、価格も比較的手の届きやすいものが多いので、コストパフォーマンス的に二重丸のアイテムなのです。
高級感あふれるママ振袖ですが、全体的に上半身の柄が控えめな傾向にあるため、
半衿のアレンジが映えます。
特に挑戦しやすいのは、金糸を使った刺繍半衿です。
金は、お顔の色にも馴染みやすく、顔色を明るく見せてくれます。
豪華だけれど派手になりすぎない、ママ振袖の名アシストです。
ママ振りアレンジで自分らしさを表現したい方は、個性が出るリボン半衿もおすすめです。
半衿にリボンが取り付けられていて、お召しになると衿元でリボンが結べます。
取り外し可能なリボン半衿もあり、気軽に今っぽくアレンジできることが魅力です。
2.袋帯
帯は、ママ振袖の印象を大きく左右します。
基本的に、帯は着物の格やTPOに合わせてお選びいただきます。
はたちのつどい(成人式)では、はたちのフレッシュさに見合うきらびやかな帯がしっくりはまります。
しかし、近年はより自由な振袖コーディネイトを楽しむ方が多い傾向にあります。
もちろん、ご家族の意見や大人の装いとしてふさわしい品位は必要ではありますが、型にとらわれすぎずアレンジされてみるのもおすすめです。
毎年、お客様のオリジナリティあふれる振袖コーディネイトを拝見し、
「こんな素敵なスタイルに変身するとは!」
と、新たな発見と学びをいただいております。
もしも、ママ振りのアレンジとしてスパイスを加えたいときは、幾何学模様の袋帯もおすすめです。
赤と白の幾何学模様の袋帯は、一眼でおめでたい雰囲気になります。
白地に銀糸の幾何学模様が描かれた袋帯は、主役のオーラでママ振袖を飾ること間違いありません。
また、品のあるママ振袖に可愛さをプラスしたいとご希望の方には、黒地に色とりどりの花模様の袋帯をおすすめします。
一気にキュートモダンなスタイルに早変わりです。
また、忘れてはいけないのは、帯の結び方です。
後ろ姿は、周りの方々からよく見られるため、帯の結び方は大切なコーディネイトの一部となります。
上品なママ振袖には、思いっきり華やかな飾り結びがおすすめです。
イチオシは、「薔薇結び」です。
タレの先で薔薇の花を形作ります。
気高く個性的な結び方で、見るものを魅了すること間違いなしです。
他にも、帯を幾重にも織り込む「リボン結び」は、立体的になります。
ボリュームがあり存在感のあるバックスタイルが、注目を集めること間違いなしです!
3.つけ袖
裄丈が短いママ振袖の救世主は、つけ袖です。
つけ袖は、手首部分にはめて袖口を彩ります。
アームカバーや、リストバンドのキュートバージョンをイメージしていただけると良いかもしれません。
「ママ振袖を着たい」
「娘にママ振袖を着てほしい」
そのようなお気持ちを叶えられるかどうかの分岐点に、サイズの問題があります。
特に、裄丈は切実です。
お母様とお嬢さまの体型が大きく異なる場合、ママ振袖をサイズ直しする必要が出てきます。
振袖の身丈、つまり振袖全体の縦の長さはサイズ直しがしやすいです。
帯に隠れる部分を利用して、うまく調整できます。
サイズ直しに限界があるのは裄丈、つまり振袖の腕の部分の長さです。
ママ振袖の裄丈を長くしたい場合、布が折りこまれて縫われている部分を短くして縫いなおすことで、腕部分が長くなります。
しかし、縫い直しても、裄丈がお嬢さまの腕の長さに足りないこともあるのです。
腕の生地は、着付けで隠れる部分がないので、身丈のように布を足して長さを出せません。
裄丈が足りないと袖から手首がでてしまい、あか抜けない雰囲気を出してしまいます。
そのようなときに、つけ袖は絶好の装飾品です。
袖の内側につけることで、出てしまう手首を上手にカバーしてくれます。
実用的なだけでなく、ファッション性も高いので、現代風な着こなしとして違和感がありません。
黒のレースや、白のフリルが施されたものは、ママ振袖にも相性が良く、レトロなママ振りアレンジにすることができます。
つけ袖は、防寒性にも優れています。
振袖は、袖口が大きく開いているので、冷気が袖から入ってくることがあります。
つけ袖は手首を覆ってくれるので、寒さを和らげることができます。
また、伝統的なスタイルというよりは、個性的なコーディネイトになる傾向があるので、個性的なスタイルが好きな方にもおすすめです!
4.つけ衿
周りの方と差をつけたい場合は、つけ衿がおすすめです!
つけ衿とは、洋服の衿部分だけ取り付けられるアイテムのことです。
ママ振袖に合わせるには、首にかかる立ち衿タイプをおすすめします。
シルクのような光沢のある生地、レースで繊細にデザインされたもの、お好みのものを探してみてください。
和洋ミックスでオシャレさ満載のママ振りアレンジになります。
つけ袖とセットでコーディネイトすることで、レトロ感とゴシックファッションが混ざった、あなただけのママ振袖コーディネイトにすることもできます!
着付けの際、つけ衿は肌着の上に付けていただくと違和感がありません。
補正のタオルは、着付け師さんによって付けるタイミングが異なりますが、いつも通りの順序で付けていただけます。
その上から長襦袢を羽織り、最後に振袖を着付けてください。
長襦袢が浅くなるようにお着付けされると、つけ衿が目立ちます。
フォーマルな振袖姿とは一味違ったお姿は、ご友人たちの話題にあがることが予想されます。
あまり、お友達から浮かないようにしたい方には、向かないアレンジかもしれません。
しかし、ステレオタイプのママ振袖コーディネイトではなく、羽を伸ばしたあなたらしいスタイルがお好みの方にはピッタリです。
ご家族が王道の振袖姿を期待している場合、つけ衿コーディネイトは理解を得るのが難しいかもしれません。
一つの案として、前撮りの際につけ衿を付け、はたちのつどい(成人式)当日はつけ衿を付けないお姿で参列されてみてはいかがでしょうか。
長襦袢に縫い付けるわけではないので、付けるか付けないかの選択は当日になっても問題ありません。
主役ご本人の好きなコーディネイトをしていただくことが、一番大切です。
しかし、できればご家族皆さんがハッピーな気持ちになれるように、相談してみてくださいね。
5.ブーツ
近年、草履以外でじわじわと市民権を得ているのが、ブーツです。
古典柄のママ振袖にブーツを合わせると、モードな印象になりハイセンスなスタイルとなります。
足元だけなので奇抜になりすぎず、充分に個性を感じさせるママ振りアレンジになりおすすめです。
機能的にも、ブーツは草履より歩きやすいことがポイントです。
慣れない草履は、鼻緒部分が足に擦れて、歩けないほど痛くなってしまうこともあります。
履きなれたブーツをお選びいただければ、長時間のはたちのつどい(成人式)にも対応可能です。
また、防寒の面でもブーツは優れています。
足首をカバーしてくれるので、足袋がむき出しになっている草履とくらべると体感温度をグッとあげてくれるアイテムです。
ヒールの高いブーツは、身長を高く見せたい方にも人気となっています。
足長効果で、スタイルアップを狙いたいですね。
できるだけ、シンプルなデザインのブーツをお選びいただいた方が良いかと存じます。
ビジューやファーが付いているものより、すっきりしたデザインの方がママ振袖を引き立ててくれるからです。
色は黒だと、どんな振袖にも合わせやすいので試してみてください。
問題になってくるのが、着脱のしやすさです。
サイドジッパーやゴムで広げられる、ミドル丈のブーツをおすすめします。
逆に、ロングブーツや後ろにジッパーがついているものは、着脱に一苦労です。
足元のオシャレで、ママ振袖コーディネイトを格上げしてみてください。
6.髪型
ママ振袖を今っぽいアレンジにするためには、ヘアアレンジが有効です。
髪型は、第一印象を決定づけます。
流行のスタイルを取り入れて、ママ振袖コーディネイトを楽しみましょう。
金箔や水引のヘアアクセサリーは、慶事にピッタリなアイテムです。
それでいて、けばけばしくならず、上品なので取り入れてみてください。
ここ最近流行っているのは、ツインアレンジです。
ツインのお団子で、ふわふわした雰囲気になる羊ヘアの人気が高まっています。
ツインテールを三つ編みにしてドライフラワーで飾ったり、ベロアリボンで結ぶアレンジもガーリーにまとまります。
和風なヘアアレンジでまとめたい方は、豪華なつまみ細工のヘッドドレスで飾ってみてはいかがでしょうか。
カラフルなアイテムをお選びになれば、ママ振袖をより輝かせてくれます。
7.しごき
帯周りにしごきを結ぶと、ママ振袖に独創性を与えてくれます。
しごきは、七五三や花嫁衣装としてよく使われるアイテムですが、近年はたちのつどい(成人式)でも用いられることが増えてきました。
帯の下に巻いて、裾をたらす装飾布です。
ベルベット調やレースなど様々な素材で、ママ振りアレンジのスパイスとなってくれます。
ママ振袖に色数を足したい場合にも、効果的です。
華やかで抜け感のある振袖コーディネイトに仕上がります。
8.まとめ
・刺繍半衿やリボン半衿がママ振袖を今っぽくしてくれる
・幾何学模様の袋帯と華やかな飾り結びで、主役級の振袖コーディネイト
・裄丈の短さをカバーするつけ袖は、ファッション性も抜群
・つけ衿を付けると和洋ミックスなママ振りアレンジ
・ブーツは、ハイセンスなだけでなく、歩きやすく防寒面でも優れている
・ツインテールアレンジがママ振袖にトレンド感を演出
・しごきが帯周りのスパイスになる
ママ振袖を今っぽくコーディネイトする、可愛いアレンジ術をご紹介しました。
気になった振袖コーディネイトがあれば、試してみてくださいね。