振袖が決まればつぎは小物選びですね。
成人式(はたちのつどい)では多くの方が振袖をお召しになっています。
振袖自体ももちろん重要ですが、着物に詳しい方は、帯締めや帯揚げなどの小物使いにも目がいきます。
振袖を引き立たせるためにも、小物選びは重要なポイントですね。
小物は、重ね衿、帯揚げ、帯締め、草履などがありますが、中でも帯締めは結び方のアレンジや、色合いのコーディネートで印象ががらりと変わります。
この記事では帯締めの美しく見せてくれる結び方についてご紹介します。
目次
1.帯締めとは?
そもそも帯締めとはなんでしょう。
帯締めとは、帯の上につける細い紐のことで、帯締めで帯をしっかりと締めることで、帯がくずれないようにしています。
帯締めは振袖、留袖、訪問着など女性の着物には必需品というくらい、機能的な面はもちろんありますが、最近ではおしゃれとして浴衣にもあわせる方が増えてきました。
帯締めは、色や結び方のアレンジ次第で、振袖を引き立ててくれるものでもあります。お持ちの振袖や帯にあう、素敵な帯締めを探してみてくださいね。
2.帯締めの種類
帯締めには種類がたくさんあります。帯締めは、着る着物の格によっても幅や糸の色が変わってきますので気を付けたいですね。
振袖にあわせる帯締めは大きく3種類あります。与える印象や、雰囲気、好みで選んでいただくのがおすすめです。
色味は、金糸銀糸の入ったものは礼装用で、色糸のみだとカジュアル向けになります。振袖用には金糸銀糸の入ったものを選ばれるとよいでしょう。
平組(ひらぐみ)
帯締めの中でも最もポピュラーなものが平組です。
平組は紐の面が平らに組まれているものをいいます。
紐が平らになっており、硬めの質感のため、帯をしっかりと締めることができ、あとにご紹介する丸組よりかは帯がくずれにくいと感じられる方も多いでしょう。
平組にも種類がたくさんありますが、幅が細いほど普段着向けになり、太いほど礼装向けになります。
振袖にあわせるものは、幅が1.6㎝以上ある幅広のものを選ばれるとよいでしょう。
平組は上品で洗練された印象を与えてくれますが、幅が広いもののほうが、振袖がより豪華に、華やかに見えますのでおすすめです。
帯締めの幅でそんなに変わるのか、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、幅が異なるだけで見た目が大きく変わってきますので、いろいろと試してみてくださいね。
丸組
丸組は断面が丸くなっている厚めの紐のことです。平組よりかはやわらかい質感で、結びやすいのが特徴です。
結び方をアレンジする際には、平組より丸組のほうが結びやすいです。
丸組はやわらかいため、可愛らしい印象になります。花型やトンボ玉、大きなパールのついたものや、片側が複数の紐になっているものなど、成人式向けに装飾された丸組があり、バリエーションも豊富です。
丸ぐけ
丸ぐけは、平組や丸組といった、紐を組みあげて作られている組紐とは異なり、正絹生地などで仕上げたふんわりとした質感の紐です。
中に綿が入っており太いので、締め上げると安定感があります。
花嫁の白無垢や、七五三の際に使用するのもこの丸ぐけです。
丸ぐけはレトロな雰囲気の振袖によくあいます。
3.帯締めの美しく見せてくれる結び方
帯締めといっても種類がたくさんありますので選ぶのが迷ってしまいますね。
帯締めの種類や長さによってはできない結び方もありますので、やってみたい結び方にあわせた帯締めを選ばれるのもおすすめです。
結び方もアレンジ次第で何通りもできますが、基本のものから変わり種まで、ご参考までに10種類ご紹介させていただきますね。
本結び
本結びは、帯締めの基本的な結び方です。上品で洗練された印象があります。帯締めの先端の房は下向きになります。
この本結びをベースとして、余った両端の紐で様々なアレンジができるようになります。
寿結び
寿結びは、本結びとよく似ています。お祝い事の水引(みずひき)のように、帯締めの両端の房が上向きにでてくるのが特徴です。
藤結び
藤結びは、結び目が太く大きくなる結び方です。ボリュームがあり、かつ大人っぽい印象になります。丸組や丸ぐけ向けの結び方です。
ハート結び
ハート結びは、本結びや藤結びをベースとして、両端の紐で2つの輪を作り、ハート形に結びます。
他の飾り結びに比べ簡単にでき、可愛らしい印象になります。
特に、ピンクなど可愛らしい色の帯締めの際におすすめの結び方です。丸組・平組がおすすめです。
四葉(クローバー)結び
四葉(クローバー)結びは、四葉のクローバーをかたどった結び方です。
本結びの後、両端の紐で4つの輪を作ります。結び目は左胸の位置までずらすのがポイントです。
緑系の帯締めの際にやってみたい結び方ですね。装飾のついた丸組で結ぶと可愛らしく、華やかな印象になります。
花結び
花結びは、本結びの後、輪をいくつか作りお花に見立てる結び方です。
丸組の場合、帯締めの片側がいくつかの紐に分かれているタイプですと、花びらが広がり、華やかな花になります。
平組の場合は、両端の紐をくるくると数回ねじって端を挟み込み、お花をつくります。
いずれも、最後に輪をずらし、バランスを整えることがポイントです。
蝶結び
蝶結びは、本結びの後、帯締めの両端を上から下にくるりと2回通して、蝶のかたちに輪を作る結び方です。
お好みで、上の輪を大きく、下の輪を小さく整えると蝶のようになります。
結び目を中心からずらしたほうがおすすめです。
リボン結び
リボン結びは、リボンのような形にする結び方です。
本結びの後、両端をそれぞれ下から上に挟み込みリボンの形を作ります。最後、房の部分は結び目に通します。
長めの帯締めの場合は、リボンを大きく作ることができますので華やかな印象になります。
こちらも結び目は中心からずらしたほうがおすすめです。丸組でも平組でも可愛い結び方です。
ねじり結び
ねじり結びは、結び目を中心からずらし、両端をねじって入れ込む結び方です。
結び目に大胆な帯留めをつけて両端をねじり結びしてもいいですし、蝶結びのあとにねじり結びをすると、個性的な印象にもなります。
丸組で片側がいくつかの紐に分かれているタイプの帯締めは、ゆるく三つ編みにしてから帯に沿わすように垂らして房を挟み込んでも可愛いですね。
ト音記号結び
ト音記号結びは、あまり見ない結び方ですが、音楽好きの方は試してみてはいかがでしょうか。
左にずらす場合は右側の紐を、右にずらす場合は左側の紐を長くとります。
本結びをし、長くとった方をト音記号の形になるようにくるくると形作ります。一つ目の輪を小さめに作ると作りやすいです。
反対側の短い方は、帯締めに巻き込み、最後は房が上になるように挟み込みます。
4.帯締めの選び方
基本的な選び方としては、重ね衿と帯揚げ、帯締めのなかで3つのうち2つを
同じ色目のトーンでまとめると安心感のあるコーディネートになります。
少し上級者向けにはなりますが、3つすべて異なる色にしても問題はありません。
また、振袖や帯に使われている色から選ぶのもよいでしょう。例えば振袖の柄のお花の一つの色を選んでみると、その柄が映えるのでおすすめです。
なりたい雰囲気で選んでみるのもいかがでしょうか。振袖や帯の色から選んでもまとまりがいいですが、補色を差し込んでも引き締まって素敵なコーディネートになります。
可愛いらしい雰囲気
ピンク系やパステル系の振袖には、赤や黄色などの暖色系や白の帯締めでまとめると可愛らしい雰囲気になります。
また、飾りのついた丸組の帯締めを使うとより華やかな雰囲気にもなります。
大人っぽくてクールな雰囲気
黒や紫色の振袖や、大柄な花が描かれた振袖など、大人っぽくてクールな雰囲気には、平組の帯締めはいかがでしょうか。
色は重ね衿、帯揚げ、帯締めのうち2つを同色系でまとめるとまとまりがよいので、大人っぽい雰囲気になります。
レトロな雰囲気
深緑や、紺色のレトロな雰囲気の振袖には、帯締めの色を補色にするのはいかがでしょうか。
例えば、深緑の振袖には赤みがかった紫のような色味、紺色には黄色系の色味をもってくると差し色になっておすすめです。
また、振袖や帯にたくさん柄が入っている場合は、帯締めは飾りのついていないシンプルなものにするか、黒をベースとしたものを選ぶとしまりがよいでしょう。
金色の帯の場合には、黒や緑、赤など強めの色を持ってくると帯の金色が映えるのでおすすめです。
個性的な雰囲気
少し上級者向けですが、重ね衿、帯揚げ、帯締めの色を統一せずバラバラにするのも個性的で、ポップな雰囲気になります。
蝶やお花をモチーフにした大き目の帯留めと合わせたアレンジもできますので、コーディネートに差をつけたい場合は試してみてくださいね。
5.まるやま・京彩グループの振袖「MK STYLE」
まるやま京彩グループは東京・横浜を中心に、全国90店舗を構える着物専門グループです。
伝統からトレンドまで幅広い種類の振袖をご用意しております。着物専門店ですので、接客から当日お支度までのトータルサポートを実施しております。
振袖でお困りのことがございましたら、お気軽に知識豊富な当店のスタッフにご相談くださいね。
来店のご予約も随時こちらのホームページから受け付けております!
6.まとめ
・帯締めは、帯がくずれないようにする機能的な用途はもちろん、色や結び方のアレンジで振袖をより華やかに引き立ててくれるもの。
・振袖の帯締めは主に3種類(平組、丸組、丸ぐけ)あり、なりたい雰囲気や好みに合わせて選ぶ。
・平組であれば幅が1.6㎝以上の幅広のものを、丸組であれば装飾がついたものが成人式(はたちのつどい)向き。特に金糸銀糸が入ったものは華やかになり、おすすめ。
・帯締めの結び方はアレンジ次第で何通りもできる。使う帯締めによって、できる結び方が異なるので気を付ける。
この記事では、振袖をより一層引き立たせてくれる帯締めの結び方を10種類ご紹介させていただきました!
成人式(はたちのつどい)では多くの方が振袖をお召しになります。
帯締めの色や結び方ひとつで、雰囲気が全く変わってきますので、他の方と差をつけたい、自分らしく着こなしたい、など思い描くイメージに合った帯締めを探してみてくださいね。